(1)保護対象は「発明」
発明とは、自然法則を利用した技術的思想の中で高度なものを指します。例えば、ゲームルールのような自然法則を利用していないもの、職人技のような再現が困難なもの、物のデザイン、単なる発見などは発明ではありません。「ビジネスモデル」に関しては、人(会社)の単なる取決めである場合には「技術」ではありませんから、発明には該当しません。
※ビジネスモデル特許関連の情報の詳細は、以下の特許庁HPをご参照ください。
http://www.jpo.go.jp/cgi/link.cgi?url=/toiawase/faq/biz_kanren_q.htm
http://www.jpo.go.jp/cgi/link.cgi?url=/toiawase/faq/tt1210-037_qanda.htm
産業上利用性、新規性、進歩性を有する発明であること、公序良俗に違反しない発明であること、特許請求の範囲や発明の詳細な説明の記載に不備がないこと等が主な要件となります。これらの要件を具備していない場合には、特許を取得できませんし、誤って特許された場合には、第三者による無効審判請求により、「無効」の対象となります。
※詳細は、特許庁HPをご参照ください。
http://www.jpo.go.jp/cgi/link.cgi?url=/shiryou/kijun/kijun2/tukujitu_kijun.htm
別紙フローをご参照ください。
(4)特許権特許されると、特許された発明(特許発明)を一定期間、独占的に実施(製造・販売など)する権利(特許権)が発生します。したがって、権原のない他人が特許発明を実施した場合には「特許権侵害」となり、特許権者はその他人に対して、特許発明の実施を差し止める権利(差止請求権)を行使することができ、また、損害を蒙った場合には、相手方に対して損害賠償請求をする(損害賠償請求権の行使をする)ことも可能です。また特許権者は、特許発明の実施を他人に認める(実施権の許諾:ライセンス契約をする)こともできます。なお、特許権の存続期間の末日は、最大で出願日から20年経過した日です。
(1)保護対象は「考案」
考案とは、自然法則を利用した技術的思想の創作を指します。上記「発明」と比べると「高度なもの」という言葉がありません。よって考案は、発明ほど高度であることが要求されていません。
ただし、こうした考案でも物品の形状・構造・組合せであることが必要です。このため、物の製造方法や化学物質又は合金等のように、物質自体や方法は実用新案登録の対象とはなりません。
こうした保護対象とならない考案が出願された場合は、補正命令がされ、出願人が補正書を提出しても治癒しない場合には出願が却下されます。
実用新案登録出願は、特許とは異なり、願書、特許請求の範囲、明細書及び図面の記載に不備がない場合及び公序良俗に反しない考案である限り、実体審査(産業上の利用性・新規性・進歩性などの要件を備えているか否かの審査)がされることなく(無審査で)登録されます。
つまり極論すれば、既に販売されている考案や、雑誌や新聞に掲載された考案、実用新案登録された考案、特許出願されている発明等を出願したとしても、上記実体審査をしませんから全て登録されます。
ただし、産業上利用性、新規性、進歩性を有する考案ではない場合や、公序良俗に反する考案である場合には、登録自体はされますが、第三者による無効審判請求により「無効」の対象となります。
詳しくは、こちらからPDFをダウンロードしてご確認ください。
(4)実用新案権
実用新案登録されると、特許と同様に登録実用新案を一定期間、独占的に実施(製造・販売など)する権利(実用新案権)が発生します。現在では出願からおよそ数ヵ月(4ヵ月程度)で登録されますから、ライフサイクルの短い商品の技術的アイディアを保護したい場合、あるいは特許制度を利用するより早急に権利化を図る必要性が高い場合に利用されます。ただし、無審査で権利が付与されるため、実用新案技術評価書(実用新案権の有効性について特許庁が判断を示したもの)を提示して、相手方に警告した後でなければ実用新案権を行使することができません。そのため、評価書で有効と認められなかった場合、事実上権利行使は不可能です。また、権利を行使したことにより相手方に損害を与えた場合には、逆に相手に対し賠償責任を負う可能性があります。したがって、実用新案権を行使する場合には相当の注意を払う必要性があります。
また、実用新案権者は、登録実用新案の実施を他人に認める(実施権の許諾:ライセンス契約をする)こともできます。なお、実用新案権の存続期間の末日は、最大で出願日から10年経過した日です。
(1)保護対象は「意匠(物品のデザイン)」
意匠とは、物品の形状、模様もしくは色彩又はこれらの結合であって、美感を起こさせるもの、つまり物品のデザインのことです。物品と離れた単なるデザインは意匠ではありません。
(2)登録要件意匠登録出願は、工業上利用できる、すなわち量産可能なものであること、新規性があること、創作性があること等が登録要件となります。したがって、工業性のない美術品などのデザインは原則として著作物に該当し、意匠登録されません。デザイン(意匠)の例として自動車、テレビ、清涼飲料水のビン、洋服などが挙げられます。また、デザイン(意匠)はあくまでも「物品の」形状や模様などをいうので、同じデザインでも物品が非類似の場合は意匠としては別のものになります。ですから、出願時には願書で物品を特定する必要があります。なお、意匠法では「関連意匠制度」があり、互いに類似する意匠を複数登録することにより、時には特許権に近い範囲で自社商品を守ることができる場合があります。
(3)出願から登録までの手続詳しくは、こちらからPDFをダウンロードしてご確認ください。
(4)意匠権意匠登録されると、登録された意匠(登録意匠)とこの登録意匠に類似する意匠を一定期間、独占的に実施(製造・販売など)をする権利(意匠権)が発生します。また、権原のない他人が上記登録意匠及びこれに類似の意匠を正当な理由なく実施した場合には、「意匠権侵害」となり、意匠権者はその他人に対して、上記他人の実施を差し止める権利(差止請求権)を行使することができ、また、損害を蒙った場合には、相手方に対して損害賠償請求をする(損害賠償請求権の行使をする)ことも可能です。また、意匠権者は、上記意匠の実施を他人に認める(実施権の許諾:ライセンス契約をする)こともできます。なお、意匠権の存続期間の末日は、最大で登録日から20年経過した日です。
(1)保護対象は「商標」
「商標」とは、文字、図形、記号もしくは立体的形状もしくはこれらの結合又はこれらと色彩との結合であって、商品又は役務について使用をするものを言います。つまり、商品の名前やロゴ、マーク(図形)が商標となります。なお「役務」とは、いわゆるサービスのことを言います。最近では商品を小売、又は卸しをする際に使用される商標(小売等役務商標)も登録の対象となっています。
なお、こうした商標は平面的なものばかりではなく、不二家のペコちゃん人形のように「立体的なもの」(立体商標)も登録の対象となります。
商標は、自他商品又は役務の識別力を有すること、不登録事由に該当する商標ではないことが要求されます。 上記識別力のない商標としては、以下のものを挙げることができます。普通名称(商品「時計」について商標「時計」、役務「靴の修理」について商標「靴修理」)、慣用商標(商品「清酒」について商標「正宗」、役務「宿泊施設の提供」について商標「観光ホテル」)、商品の原産地等(商品「足袋」について商標「行田」、商品「洋服」について商標「東京銀座」、商品「ブラウス」について商標「シルク」、商品「清酒」について商標「寒造り」、役務「飲食物の提供」について商標「高級料理」など)。
また、不登録事由に該当する商標としては、全部で19の事由がありますが、実務上問題となる典型的なものは、他人の登録商標・商品(又は役務)と同一・類似の商標です。
※詳細は、以下の特許庁HPをご参照ください。 http://www.jpo.go.jp/cgi/link.cgi?url=/tetuzuki/t_gaiyou/mitoroku.htm
(3)出願から登録までの手続詳しくはこちらからご覧ください。
(4)商標権商標登録されると、登録された商標(登録商標)を指定商品又は役務に対して一定期間、独占的に使用する権利(商標権)が発生します。また、権原のない他人が上記登録商標を指定商品等に使用した場合には「商標権侵害」となり、商標権者はその他人に対して、上記他人の使用を差し止める権利(差止請求権)を行使することができ、また、損害を蒙った場合には、相手方に対して損害賠償請求をする(損害賠償請求権の行使をする)ことも可能です。また、商標権者は、上記使用を他人に認める(使用権の許諾:ライセンス契約をする)こともできます。なお、商標権の存続期間の末日は、登録日から10年経過した日です。
インターネットが普及し、小さなお店などでもホームページを持つことができるようになった結果、それまでは何の問題もなく使用してきた店名などを同じ名前の同業他社から商標権侵害で訴えられるようなトラブルも発生しており、注意が必要です。
(1)保護対象は「著作物」
「著作物」とは、思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものを言います。
「創作的」という点では著作者の個性が何らかの形で表現されていればよく、新規性や独創性までは要せず、特許における進歩性ほど高度なものは求められません。また、保護を受けるためには外部的に表現されている必要があり、表現のもとになっているアイディア(思想)自体は保護されません。具体的には,小説、音楽、美術、映画、コンピュータプログラム等が、著作権法では著作物の例示として挙げられています。逆に、単なるデータやアイディア、他人の作品の単なる模倣や工業製品等は著作物とは扱われません。
なお、この他にも、編集物で素材の選択又は配列によって創作性を有するものは、編集著作物として保護されます。新聞、雑誌、百科事典等がこれに該当します。
上記の4つの産業財産権(特許、実用新案、意匠、商標)とは異なり、著作権は著作物が完成した時点で発生するので、登録は必要ありません。但し、公表した事実や移転した日付などを登録する制度は存在します。
(3)著作権著作物に関する権利としては、著作権(著作物の利用を許諾したり禁止する権利)と、著作者人格権(著作者の人格的利益を保護する権利)と、著作隣接権(実演等の利用を許諾したり禁止する権利)があります。著作権者・著作者人格権・著作隣接権を侵害されると、著作権者・著作者人格権・著作隣接権は相手方に差し止めの請求が可能であり、また、相手方に対し損害賠償請求をすることも可能です。著作権の保護期間は、例外はありますが、原則として著作者の生存年間及びその死後50年間です。
※詳細は、以下の文化庁HPをご参照ください。
http://www.bunka.go.jp/chosakuken/index.html













ここでは特に、御社のビジネスを支えるツールとなる「特許権」「実用新案権」「意匠権」「商標」(産業財産権)と「著作権」の5つをご紹介します。
※「知的財産権」は、産業財産権(特許権、実用新案権、意匠権、商標権)及び著作権、回路配置利用権、育成者権、営業秘密に関する権利などの総称です。